新規開業!事業用融資のポイントとは?
◎事業用融資の借入先にはいくつか種類がある。
事業用融資の借入先は銀行のみでなく、融資を受ける企業の状況や用途によって様々な場所があります。
皆さんもご存じかと思いますが、日本政策金融公庫(いわゆる国金)などがその代表的な例です。
ここでは、融資を受ける際の借入先の種類をご紹介していこうと思います。
- 銀行・信用金庫等の金融機関
地方銀行やメガバンク等の金融機関で、借入時に最初に思い浮かぶ一般的な融資先
- 日本政策金融公庫(国金)
株式会社日本政策金融公庫法に基いて設立された100%政府出資の法 人からの融資
- 自治体・官公庁の融資
都道府県や市区町村自治体が一定の条件を基に貸付を行う制度の一つ
- 商工会議所の融資
地方自治体同様に各地方にある商工会から受けられる融資
- ベンチャーキャピタル(VC)
ハイリターンを狙った投資を行う投資会社からの融資
- 他企業・投資家からの出資・融資
出資・投資会社及び投資家から受けられる事業用の融資
- クラウドファンディング(融資型)
通常インターネット等を使い、不特定多数から少額ずつ資金を集める融資
- ビジネスローン
事業者だけを対象とした金融商品
このように、事業用融資にはいくつもの借入先が存在します
借入先の候補が多いため、借入先を迷うかもしれません。
そこで次項からはこの借入先の向き不向きについてみていこうと思います。
◎借入先には、向き不向きがある
前項で述べたように、事業用融資には用途別に最適な借入先があります。
いくつか紹介すると、、、
〇銀行・信用金庫等の金融機関
融資を受ける際は、まず銀行や信用金庫などの金融機関が頭に浮かぶと思います。
この融資先は基本どのような用途にでもおすすめできます。
開業・創業資金や新規事業展開、運転資金としても利用可能です。
しかし、デメリットもあります。
それは、融資を受けるまでの審査の厳しさです。
特に信用保証協会をはさまず、直接銀行から融資を受けるプロパー融資は、保証人なしの為、銀行にとってかなりリスクの高い融資となり、審査がより厳しいものとなります。
では、プロパー融資にはデメリットばかりなのでしょうか?
そんなことはありません。下記のようにメリットももちろんあります。
- 保証料がかからない
- 限度額がない
保証料はお金を借り入れる際の保証人に対して支払うもので、基本的には次に紹介する信用保証協会へ支払うものになります。
反対に信用保証協会をはさんで融資を受ける方法を信用保証協会の保証付き融資と言います。
こちらは信用保証協会が保証人の役割を果たすため、審査はプロパー融資より審査が通りやすい方法です。
しかしこちらにもデメリットがあります。
- 保証料がかかる
- だれでも利用できるわけではない
- 限度額がある
このように銀行融資だけでも2通りの融資方法があります。
〇日本政策金融公庫(国金)
こちらは株式会社でありながら、100%政府出資・財務省所管の法人です。
日本政策金融公庫法という法律に基づき、日本経済の活性化と金融機関の補完を目的としています。
この借入先は創業時に利用できる制度が多く、新規開業の融資借入先に向いています。
「新創業融資制度」「新規開業資金」「中小企業経営力教会資金」「女性・若者/シニア起業家支援資金」等があります。
しかし、この制度にも「対象になる人」や「融資上限額」、「金利」等いくつかの制限があります。
では、日本政策金融公庫から融資を受けるメリットは何でしょうか?
それは、審査の通りやすさです。
前述でご紹介した通り、一般の金融機関で融資を受ける場合は審査が厳しくなります。
特に創業時や初めての融資の場合は、銀行も融資したお金を回収できるか判断する材料となる「業績」や「金融機関との取引実績」がないため、融資が難しくなります。
その点、日本政策金融公庫は新規開業の方も融資を受けやすくなっています。
その他のメリットとして、低金利で融資を受けることが可能であったり、他行からも借入がしやすくなります。
初めて融資を受ける方には比較的デメリットが少ない借入先となります。
◎日本政策金融公庫(国金)融資を受けるために
このように、様々な融資方法にも向き不向きがあります。
そのすべてを紹介したいところですが、今回は「新規開業」をテーマにしているため、日本政策金融公庫を取り上げて、新規開業の融資を受けるために必要なものを上げようと思います。
- 借入申込書
- 創業計画書
- 設備資金のお申込の場合は見積書
- 履歴事項全部証明書又は登記簿謄本(法人の場合)
- 生活衛生関係の事業を営む方は、都道府県知事の「推薦書」(借入申込金額が500万円以下の場合は不要)又は生活衛生同業組合の「振興事業にかかる資金証明書」
Ex)飲食店営業・理容業・クリーニング業等
- 通帳コピー
- 借入金のある場合は、支払明細書
- 不動産の賃貸借契約書(仮押さえしている場合は、借りる予定のテナント契約条件が分かる書類)
- 運転免許証コピー
- 関連企業の確定申告及び決算書(別で会社を経営されている方)
- 印鑑証明書
- 代表者のご自宅分の水道光熱費の支払い状況が分かる資料
日本政策金融公庫から融資を受ける場合、上記の資料を準備し、審査に通らなければなりません。
そのため、かなりの時間と労力が伴います。
特に不動産賃貸借契約書は仮押さえの場合、オーナーへかなりの負担を与えてしまいます。
そのため、仮押さえに応じてもらえないことも多く、事業開始場所の開拓には相当の労力を使います。
上記のようなこともある為、なるべく早く融資審査の可否を確定させる必要があります。
必要な設備や物の見積や初期費用等の概算をあらかじめ出しておくことで、その概算にあったテナントを探すことができます。
必要なものをあらかじめまとめて、出来るだけ早く融資の可否をはっきりさせましょう!